相続放棄の熟慮期間

文責:所長 弁護士 石井浩一

最終更新日:2020年12月28日

1 被相続人死亡日から3か月以内、ではない

 相続放棄の熟慮期間、すなわち相続放棄の手続きを行わなければならない期間は、「相続の開始を知った日」から3か月です。

 これには、2つの意味があります。

 1つは、被相続人が死亡したことを知った日(法律上、相続は被相続人の死亡によって開始されます)という意味です。

 もう1つは、自身が相続人となったことを知った日という意味です。

 先順位の相続人となる者が、被相続人を看取った場合は、被相続人死亡日が相続の開始を知った日となります。

 そのため、この日から3か月間が相続放棄の熟慮期間となります。

 被相続人と疎遠で長年没交渉となっていたような場合で、市役所や債権者からの連絡により、被相続人が死亡したこと、および自身が相続人であることを初めて知るということがあります。

 この場合、通知を受けた日が熟慮期間の起算点となり、ここから3か月以内に相続放棄を行う必要があります。

 先順位相続人が相続放棄をし、その旨の連絡を受けた場合、連絡を受けた日を以て、相続の開始を知った日となります。

 そして、この日から3か月間が熟慮期間となります。

 やむをえない事情で、3か月以内に相続放棄の申し立てができない場合は、熟慮期間の伸長を申し立てるという方法があります。

 参考リンク:相続の承認又は放棄の期間の伸長/裁判所

2 先順位相続人は、被相続人死亡日から3か月以内に相続放棄を行うべき

 上述の通り、相続放棄は、被相続人死亡日ではなく、あくまでも「相続の開始を知った日」から3か月以内に行えばよいとされます。

 しかし、実務においては、被相続人が死亡日よりも後に、被相続人が死亡したことを知ったとしても、可能な限り被相続人死亡日から3か月以内に行っています。

 被相続人が死亡した日から3か月以内に相続放棄の申述を行った場合、期限内の申述であることは間違いないため、裁判所に対する説明も簡素なもので足ります。

 他方、相続放棄申述の日が被相続人死亡日から3か月以上経過している場合、裁判所も厳格に審査しますので、書面や資料を用いて裁判所に対して詳細な説明が必要となります。

3 先順位相続人において、相続放棄申述の日が被相続人死亡日から3か月を超えている場合

 1でも少し触れましたが、やむを得ない事情により、被相続人が死亡したことを、被相続人死亡日から3か月以上経過した後に知るということがあります。

 このような場合、被相続人死亡日よりも後になって被相続人死亡の事実を知った理由・経緯、及びその日からから3か月以内であることを、裁判所に対し、書面と資料をもってしっかりと説明します。

 典型的な例として、長年没交渉であった被相続人が借金を抱えて死亡しており、被相続人死亡日から数か月経過した後に、相続人に対して支払いの請求がなされたというケースがあります。

 この場合、債権者の通知書面の写し等を用い、支払い請求を受けた日が相続放棄の熟慮期間の起算点であることを示します。

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